自分が実際に経験してないことを指導しても良い結果には繋がらない。

経験を積んでから人に指導するように心がけること。

良いと思うことが頭に浮かんだり、誰かに教わったりしたら、
まず、自分で行い、試行錯誤して、結果を出し、経験を積んでから人に指導するように心がけなければならない。

よく誰かから教わったことを右から左へと伝えることを指導だと思っているものがいるが、それでは肝心なことは伝わらない。

もし、料理人が弟子に料理を教えようとして、自分が作ったことがない料理を、弟子に教えようとしていたら、誰でもそれはおかしい話だと思うだろう。
だが、経営指導になると、そんな事を行うものが沢山いる。

自分がやったこともないことを人に教えるということは、料理人の場合は、弟子を侮辱していることになる。

経営指導の場合も、教わる側を侮辱していることになるから、そのことは重大事項として気を付けなければならない。

商売は、理屈のようで、理屈でないところがある。

「こうすれば売れる」という方法があったとして、10人がその方法を試しても、皆が売れるとは限らない。

大体、一人か二人は、その方法でうまくいくが、それ以外はうまくいかない。
上手くいくどころかかえって売れなくなるものも出てくる。

不思議に思うかもしれないが、その理由は簡単なことだ。

扱う商品も違えば、扱う人間も違う、場所も違えば、お客も違う、違うことずくめなのに、同じ方法で売ろうとしてもうまくいくわけがない。

しかし、何かを本気で売ろうとしたことのない人間は、このことに気がつかない。

東京でうまくいったから、大阪でも同じ方法でうまくいくとは限らない。
欧米でうまくいっているからと言って日本でうまくいくとは限らない。

大事なことは、東京でうまくいっていることを大阪でもやろうと考えるなら、まず試しにやってみることだ。
試しにやってみると、何がまずいのかよくわかる。

真似して試して、結果を吟味して、変化を加えていく

うまくいっている方法を真似するのはいいことだから、どんどん真似すればいいと思う。
しかし、経営指導を行うものは気をつけねばならない。

真似して試して、結果を吟味して、変化を加えていくという段階が必ず必要になるということをだ。

実際に経験のない人間はこの工程を知らないから、この工程を繰り返すにあたって、どのような感情になるかも理解していない。
この実際に行う上で起こってくる感情というものも粗末にしてはいけない。

「ものが売れない人間は、どんな心境なのか?」逆に「売れるとどんな心境になるのか?」当たり前だが、経験をした人間にしかわからない苦労があるものだ。

月給をもらっている人間にはわからない苦労や、なんとも言えない感情があるものだ。
そのこともわからずに経営指導を行うと、とんだしっぺ返しを食らうことになる。

人は、いちいち説明しなくてもわかるものだ。
この人は、自分が現在している苦労をしてきた人間か、まだ経験していない人間かどうかということを。

何かを伝えよとしたら、必ずこのことを自問自答してほしい。

この項目は以上。